花には良い花言葉だけがあるわけではない。身近な花の中に、知ると少し気まずくなる花言葉が静かに存在している。
1. クローバー(シロツメクサ)——「復讐」
公園や道端の草むらに普通に生えている。子どもが四つ葉を探す、あの花だ。クローバーの花言葉には「復讐」がある。「私を思って」や「約束」という花言葉が叶わなかったとき、愛情が憎しみに変わることからつけられた。
四つ葉を拾ってプレゼントしても、贈り方によっては呪いになる可能性がある。
2. マリーゴールド——「下品な心」「嫉妬」「絶望」
花壇や街路のプランターに真っ先に植えられる、あのオレンジと黄色の花だ。花期が長く丈夫なため、あらゆる公共の場に置かれている。
由来はギリシャ神話。水の妖精クリスティは太陽神アポロンに恋をしたが、アポロンには王女レウトコエという恋人がいた。嫉妬したクリスティはレウトコエの父王に二人の関係を密告し、怒った父王はレウトコエを生き埋めにした。自分の告げ口のせいで人の命を奪ったことを後悔したクリスティは、その後ずっと地面に座り太陽を見続け、9日後にマリーゴールドに姿を変えた。
「下品な心」という花言葉は、このクリスティの嫉妬心と告げ口した行為を表している。嫉妬によって人を陥れ、後悔して朽ちた妖精の話から生まれた花が、今日も市役所の前に咲いている。
3. アジサイ——「冷淡」「無情」「移り気」
梅雨の時期に日本中で咲く。切り花や庭木として最も普及している花のひとつだ。青いアジサイの花言葉は「冷淡」「無情」「浮気」。「冷淡」「無情」は雨の中で凛と咲く姿から、「浮気」は開花中に花色が移り変わることからついた。
アジサイは花の色が時期ごとに変化することから「浮気」「移り気」「無常」という花言葉を持つ。色が変わり続ける花に「移り気」の名をつけた人は正確だと思う。アジサイは咲き始めから枯れるまで、ひとつの色で留まらない。
4. ハナニラ——「悲しみに耐える」「恨み」
春になると歩道の縁や空き地にひっそりと白い星型の花を咲かせる。踏まれても生え続ける雑草に近い扱いをされていながら、見た目は可憐だ。名前の通り葉をちぎるとニラに似た匂いがする。
ハナニラには「別れの悲しみ」や「恨み」という花言葉がつけられた。薄く青白い花びらにちなんでつけられたとされている。踏まれても枯れない生命力と「恨み」という花言葉の組み合わせは、考えすぎかもしれないが、妙に納得感がある。
5. ハナズオウ——「裏切り」「裏切りのもたらす死」
春に枝いっぱいに赤紫の花を咲かせる低木で、公園や住宅の庭先に植えられていることが多い。桜が終わる頃に咲き始め、葉が出る前に花が散る。
セイヨウハナズオウは英語で「ユダの木」と呼ばれる。キリスト教の十二使徒のひとりユダがイエスを裏切った後、このハナズオウの木で命を絶ったという言い伝えに由来する。「裏切り」「不信仰」「疑惑」「裏切りのもたらす死」「エゴイズム」と、花言葉の一覧が重い。もともと白花だったハナズオウが、裏切り者の死に場所にされたことを恥じて赤紫色になったという伝説もある。
なお日本や中国では春を告げる縁起の良い花とされており、花言葉は西洋のキリスト教文化から来たものだ。同じ花がこれほど違う意味を持つというのも、花言葉の性質をよく示している。もし誰かからハナズオウを贈られたら、相手の表情をよく確認してほしい。
以上5選。いずれも今日、あなたの近所で咲いている可能性がある。

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