貴方はバイエルン風、ミラノ風?それとも北京風?

インテリアの正解は「肉」だった。バイエルン、ミラノ、北京――貴方の家を美味しく彩る世界肉紀行

人生を豊かにしたい。そう願う現代人が最初に着手すべきは、自己啓発本を読むことでも、怪しい投資に手を出すことでもない。自宅のインテリア・エクステリアの最適化だ。

だが、世の中の「お洒落な部屋特集」には、もう飽き飽きしていないか? 無機質なコンクリート打ちっぱなし、中身のない洋書、観葉植物。そんな退屈な空間で、本当に貴方の魂は震えるのか。

僕なら迷わず「バイエルン風」を取り入れる。

皮のパリパリが、貴方の家の「格」を決める

バイエルンと言えば、泣く子も黙るシュバイネハクセだ。 ……おや? もしかしてシュバイネハクセを知らない? もしそうだとしたら、貴方のこれまでの人生は、いわば「味のしないガム」のようなものだ。

シュバイネハクセとは、ドイツ・バイエルン州が誇る最強の豚すね肉料理。 最新のトレンドでは、単に焼くのではなく「低温調理後に高温で一気に皮を爆発させる」のが正解だ。 この皮のパリパリ感こそが、バイエルン魂の真髄。

想像してほしい。玄関を開けた瞬間、天井から吊るされたジューシーな豚すね肉が貴方を迎える。 寝室の枕元に、程よくローストされた肉塊が鎮座している。 これこそが、令和のインテリアの決定版だ。 さらに「ヴァイスヴルスト(白いソーセージ)」をカーテンレールに添えれば、近所のドイツ人も「フン、分かっているじゃないか」と納得の表情で通り過ぎるだろう。

ミラノの風は、薄く叩いた肉とともに

もちろん、僕はバイエルン一辺倒ではない。ミラノの洗練された美学も捨てがたい。 ミラノと言えば「コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ(ミラノ風カツレツ)」だ。

骨付きの仔牛ロースを、親の仇のように薄く叩き伸ばす。 伝統的なレシピでは「溶かしバター(クラリファイドバター)」で揚げるのが鉄則。 パルミジャーノ・レッジャーノを惜しみなく振りかければ、もはやそれは料理ではなく、黄金のオブジェだ。

このカツレツをバルコニーの手すりに並べてみよう。 テレビ台の脇に、コースター代わりに置いてみるのもいい。 バターの香りがリビングを包み込んだ瞬間、そこはもうスカラ座の裏路地だ。 お洒落とは、視覚だけでなく嗅覚、そして「油分」で演出するものなのだ。

頑固な価値観を破壊する、北京からの刺客

日本人はどうも「西洋こそ至高」という呪縛に囚われすぎている。 そんな凝り固まった脳みそを解きほぐすなら、やはり「北京風」しかない。

主役は、説明不要の北京ダック。 最近の北京ダック界隈では、皮だけでなく肉や骨まで使い切る「一鴨三吃」がスタンダードだが、インテリア界においては、やはりあの艶やかな「飴色の皮」がすべてだ。

北京ダックの素晴らしい点は、その汎用性にある。 置いてよし、吊るしてよし。どんなアングルでも最高のパフォーマンスを発揮する。 以前、西洋文化以外は認めないと言い張っていた、頭の硬い近所のBBA(失敬、マダムだ)がいた。 僕は彼女の家のミラノ風カツレツを、彼女が寝ている隙にすべて北京ダックにすり替えてやったのだ。

翌朝、彼女は激怒する……かと思いきや、北京ダックの圧倒的な造形美と存在感に魅了され、今では家中の壁紙を北京ダック色に塗り替えるほどの信者になっている。

さあ、貴方の「肉」を選ぼう

バイエルンで重厚に攻めるか、ミラノで軽やかに揚げるか。 あるいは北京で、すべてを飴色に染め上げるか。

インテリアに正解はない。だが、そこに「美味しさ」があるかどうか。 それだけが、貴方の生活を本当に充実させる唯一の指標なのだ。

貴方はバイエルン風、ミラノ風?それとも北京風?

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tokaijiruのアバター tokaijiru 都会汁代表

都会汁。私は、どこにでもいて、どこにもいない。長い年月を経て、ようやく見えてきた世界の裏側と新しい日常。ここは、私が拾い集めた断片を静かに吐き出す場所。通りすがりのあなたに、何が伝わるかはわからない。

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