前提として確認しておく。ここで言う「船」とは、島から陸地または航路まで到達できる、浮かんで進む構造物のことだ。完璧でなくていい。沈まなければいい。
1.竹
中空構造のため非常に軽く、それ自体がすでに浮く。同じ長さのものを並べて束ねるだけでいかだになる。
外洋での使用にはアウトリガーが有効で、側面に補助浮体をつなぐことで安定性が大幅に増す。熱帯・亜熱帯の島であれば最も入手しやすい船体材料だ。
2.丸太
一本の大木を刳り抜いたダッグアウトカヌーは人類最古の船の形式で、約8000年前から存在する。火と石器で内部を焼きながら削ることで、道具がなくても製作が可能だ。
完成すれば最も信頼性が高い船体になる。ただし大木を倒す手段と、数日から数週間の作業時間が必要だ。

3.バルサ材(または軽比重の木材)
バルサ材のいかだは南米太平洋岸でプレコロンビア時代から使われており、これを使った太平洋横断も実証されている。
バルサがなくても杉やポプラなど比重の小さい木材であれば代用できる。複数本を並べて縛るだけで浮力を確保できる。重い広葉樹よりも軽い木を優先的に選ぶことが重要だ。
4.アシ・葦
竹も大木もない場合の選択肢だ。乾燥したアシを大量に束ねて密に縛ることで、人を乗せられるだけの浮力を確保できる。
アシや葦を束ねたいかだは伝統的な船体材料のひとつで、古代から各地で使われてきた。ティティカカ湖のトトラ舟や古代エジプトのパピルス船がこの原理だ。乾燥した状態を保つことが条件になる。
5.樹皮
北米先住民のバーチバークカヌーは、白樺の樹皮を木材の骨格フレームに外張りして作る。軽量で一定の防水性を持つ。
白樺がなくても、厚くて剥がしやすい樹皮を持つ木であれば代用できる。単体では強度が不足するため、骨格材との組み合わせが前提だ。
以上5素材をおさえておけば、無人島での船の製作に役立つはずだ。
ただし実際に無人島に漂着した場合、船を作る前に飲料水の確保と食料の調達が先決であり、船の製作には最低でも数日から数週間かかり、外洋に出ることは相当な危険を伴い、そもそも漂着した島に竹も大木も葦も生えていない可能性もある。
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