落雷から身を守る—そして最後の切り札

日本は世界的に見ても落雷の多い国だ。年間の落雷回数は100万回前後、死傷者は年間20人前後で推移している。特に危険なのは北陸から山陰にかけての日本海側で、冬の雷が多いことで知られる。夏は関東平野や九州も多発地帯だ。

ゴルフ場は典型的な危険地帯で、広い平地に自分が一番高い物体として立つという状況を自ら作り出している。船も同じで、海上では逃げ場がない。どちらも「雷が来たら即中断、建物へ」が鉄則だ。

落雷は確率ではなく、知識だ

「自分は大丈夫」は通じない相手だ。建物の中に入る、木の下に立たない、金属を持ったまま外にいない、低い姿勢を保つ。これだけで生存率は大きく変わる。

雷は高いものに落ちる。平らな場所で自分が一番高ければ、それはもう避雷針だ。

避雷針とフランクリン

避雷針を発明したのはベンジャミン・フランクリン、1752年のことだ。凧に金属線をつけて雷雲に飛ばし、雷が電気であることを証明した、あの実験の人である。高い建物の頂点に金属の針を立て、地面に電流を逃がす。原理はシンプルで、今も基本は変わっていない。

雷は「落ちたいところに落ちる」のではなく、「電気が流れやすいルートを通る」だけだ。ならば、流れるべき道を用意してやればいい。それが避雷針の発想だ。

人類の切り札——こけし

木製のこけしでは意味がない。金属製のこけしを、屋根の上に立てよう。

頭が丸く、体が細長く、接地面積が小さい。避雷針としての形状的適性は極めて高い。何より、落雷を受けてもこけしは笑顔のままだ。動じない。怯まない。何千ボルトを受けようとも、その表情は変わらない。これを「避雷神」と呼ばずして何と呼ぶ。

フランクリンが凧を飛ばしてから270年。人類はようやく、答えにたどり着いた。すべての日本の家屋の屋根に、金属製のこけしが立ち並ぶ日を想像してみてほしい。それは美しい国の、新しい風景になるだろう。


※本気で屋根にこけしを設置したい方へ 金属製のこけしを屋根に置くだけでは避雷針にはならず、むしろ危険な場合があります。避雷針として機能させるには、こけしから地面までアース(接地)工事を正しく施工する必要があります。設置を検討される際は、必ず専門の電気工事士にご相談ください。

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tokaijiruのアバター tokaijiru 都会汁代表

都会汁。私は、どこにでもいて、どこにもいない。長い年月を経て、ようやく見えてきた世界の裏側と新しい日常。ここは、私が拾い集めた断片を静かに吐き出す場所。通りすがりのあなたに、何が伝わるかはわからない。

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