イデコで老後に備えよう

老後が不安だ。年金だけでは足りないと言われている。そこで国が用意した制度がある。iDeCo(個人型確定拠出年金)だ。

掛金を積み立てたとき、積み立てたお金が増えたとき、60歳以降にお金を受け取るとき。この3つの場面で節税効果を得られる。掛金は全額所得控除の対象になり、運用益は非課税。受け取るときも退職所得控除が使える。国が「老後のために貯めてくれ」と言いながら、税金まで負けてくれる制度だ。

早く始めるほどいい。複利が働く。時間が味方になる。

しかし待ってほしい。

iDeCoが制度として始まる、はるか以前から、イデコはあった。ある村の、井出さんの倉庫。「井出庫」である。

干した芋がある。干した大根もある。冬に向けて丹精込めて作った保存食だ。

問題はネズミだ。自宅の倉庫に保管すると、夜のうちにガリガリとやられる。翌朝見に行くと無惨な有様だ。せっかく備えた老後の食糧が、一夜にして消える。悔しくてたまらない。

そこで井出庫だ。

井出さんの家は猫屋敷だ。玄関に猫、縁側に猫、屋根にも猫。大小さまざまな猫が、腹を空かせてネズミを今か今かと狙っている。井出庫に預けておけば、ネズミは近寄れない。芋も大根も春まで無事だ。

iDeCoは毎月掛金を拠出して資産を形成し、60歳以降に積み立てた資産を受け取る制度だ。井出庫は毎年収穫物を預けて保存し、冬を越してから取り出す制度だ。構造は同じである。

違いが一つある。

iDeCoは60歳まで引き出せない。井出庫は春になれば取り出せる。その点においては、井出庫の方が優れている。

ただし井出庫には節税効果がない。猫の維持費は自分で払うしかない。メリットとデメリットを比べると、どちらも甲乙捨てがたい。

豊かな老後のために、後悔のない選択をしたいものだ。

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tokaijiruのアバター tokaijiru 都会汁代表

都会汁。私は、どこにでもいて、どこにもいない。長い年月を経て、ようやく見えてきた世界の裏側と新しい日常。ここは、私が拾い集めた断片を静かに吐き出す場所。通りすがりのあなたに、何が伝わるかはわからない。

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