迷宮入り事件簿

私は探偵だ。数々の難事件を解決したことなどなく、頭脳は不明晰で一桁の九九が解けない。鋭い観察力は女性の胸元にひたすら注がれるので事件解決の糸口はつかめないし、そもそも事件を解決したことは一度もない。

「特に事件を解決する気がない方に!」
「一応探偵に調査は依頼したのだが…など体裁だけを整えたい方へ」
「解決したら困っちゃう!と本音では思っている人へ!」

と言う嫌味な書き込みが多い私のホームページだが、一応ホームページを見て時折依頼が来るので今日は三ヶ月ぶりの仕事で栃木県の田舎町へ来ている。

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町長からの依頼である。町にある由緒正しき神社「あるまじろ神社」の賽銭箱がこれまでに三度も荒らされて箱が力ずくでこじ開けられて中身が盗まれているとのこと。

目撃情報から割り出された容疑者は3人。一人は御歳98歳のオタケ婆さん。最近は箸を持つのも大変だと語る。二人目は86歳のビデオ爺さん。2年前に患った脳梗塞の影響で右手が麻痺して動かないそうだ。3人目は町長の息子の俊明。趣味は筋トレでガチムチのマッチョ。最近バイク事故でヤクザの車に突っ込んでお金に困っているとの話だ。

賽銭箱をこじ開けてお金を盗んだのは一体誰なのか、検討もつかない。この事件も迷宮入りすることになりそうだ…事実は小説より奇なり。私の探偵としての挑戦はまだまだ続く。

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