サイという動物
サイは古代ギリシャ語の「鼻の角を持つもの」に由来する名を持ち、現存する奇蹄目の中で最大級の動物だ。体重は種によって異なるが、シロサイは2トンを超えることもある。皮膚の厚さは1.5〜5センチ、コラーゲン繊維が格子状に組み合わさった構造を持つ。
成体のサイには、人間以外の天敵がいない。これは重要な事実だ。ライオンも、ヒョウも、ワニも、成体のサイを仕留めることはできない。人間だけが、サイの唯一の天敵だ。
サイは草食で、低品質な植物を大量に消費する後腸発酵動物だ。雄は基本的に単独行動で縄張りを持ち、雌を求めて移動する。知能はさほど高くないが、嗅覚と聴覚は優れている。視力は弱い。
性格には種差がある。クロサイは非常に攻撃的で、何の挑発もなく突進することがある。シロサイは比較的温和で、静かに近づけば数メートルまで接近できることもある。

人類とサイの長い付き合い
サイは数百万年前のミオセン(中新世)にまで遡る古い生物だ。人類との関係は、石器時代にまで遡る。
フィリピンのルソン島では、70万9000年前にサイが解体された痕跡が発見されている。骨には石器による切り傷があり、四肢の骨は髄を取り出すために砕かれていた。現生人類が出現するはるか前の話だ。
伝統的なサイ猟の方法は、地域によって異なった。ボルネオのダヤク族は、目、耳、または口への槍の一突きでサイを仕留める方法を使っていた。1頭を仕留めるまでに5人で3〜4ヶ月かかることもある追跡が必要だったという。
アフリカでも古来、槍や罠によるサイ猟が行われた。サウスアフリカで14年間コンサベーションオフィサーとして働いた経験者によると、槍でサイを倒すことは「簡単ではない」。ホワイトサイは警戒心が弱く3メートルまで近づけることもあるが、ブラックサイは非常に攻撃的で危険だ。槍で致命傷を与えるには急所(心臓・肝臓)を複数回突く必要があり、その間に反撃を受けるリスクが伴う。
植民地時代——無制限の殺戮
伝統的なサイ猟は「生きていくための狩り」だった。状況が一変したのは植民地時代だ。
植民地時代、サイの死の最大の原因は無制限の狩猟だった。サイ猟は娯楽として行われ、角はトロフィーとして保持された。
19世紀から20世紀初頭、スポーツとしての狩猟が南部アフリカで非常に盛んになり、シロサイとクロサイの両方に深刻なダメージを与えた。シロサイは1895年には事実上絶滅したと考えられていた。
かろうじて生き残ったのは、ズールー王国の王室狩猟地だったイムフォロジ川流域の一帯に潜んでいた60頭に満たない個体群だけだった。

現代の法律——どう扱われているか
1977年、ワシントン条約(CITES)によってサイの角の国際取引が禁止された。これ以降、サイ猟は原則として違法となった。
ただし例外がある。ナミビアは保護区の管理目的で、繁殖年齢を過ぎた高齢のオスに限り、年間数頭分のトロフィーハンティング許可証を競売にかけている。その収益は保護活動に充てられる。
この「狩猟による保護」という逆説的な考え方は賛否を呼んでいる。支持者は「価値があるものは守られる」と言い、反対派は「絶滅危惧種を殺すことを正当化する論理は成り立たない」と言う。
密猟の現実は深刻だ。サイの角は闇市場で1ポンドあたり6万ドル、金の約3倍の値がつく。需要の中心はベトナムと中国で、富裕層の地位の象徴として、また伝統医学の材料として求められている。
2007年に13頭だった南アフリカでの密猟被害は2014年に1215頭に達した。7年で9000%増だ。
角はケラチンでできている
最後に一つ。
サイの角はケラチン——人間の爪や髪と同じ物質——でできており、医学的な効能を示す科学的証拠は存在しない。
人間の爪を粉末にして飲んでいるのと、成分的には変わらない。それでも角1本に数百万円の値がつく。サイが絶滅の縁に立たされている理由は、そこにある。

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