旧市街の石畳の歩行者天国。カフェ、レストラン、ビアホールが軒を連ねるこの通りが、チューリッヒグルメの本丸だ。
まず頼むべきはゲシュネッツェルテス。仔牛肉とマッシュルームのクリーム煮にレシュティを添えたチューリッヒ名物で、ビールとの相性が反則レベルにいい。「ラインフェルダー・ビエアホール」は価格も良心的で、地元民も観光客も混じって賑わっている。

昼は石畳のテラス席でのんびり。夜は通りに人が溢れ出して、街全体がバーになったような雰囲気になる。ここだけで半日、いや一日つぶれる。
もうひと通り押さえるならラングシュトラーセ。ケバブ、タイ料理、ファラフェルが並ぶエリアで、チューリッヒ随一の物価の高さを忘れさせてくれる数少ない場所でもある。

締めはチューリッヒ湖畔の散歩と焼き栗(マロニ)。秋冬限定の屋台で買った紙袋の栗を歩きながら食べる。これがチューリッヒの正しい夜の終わり方だ。
そして余裕があれば、クローネンハレ(Kronenhalle)に立ち寄ってほしい。チューリッヒを代表する老舗レストランで、壁にはピカソ、マティス、シャガールのオリジナル作品が飾られている。かつてピカソ本人やココ・シャネルが食事をした店だ。ゲシュネッツェルテスを食べながらシャガールの絵を眺める。その体験に値段をつけるのは難しい。
ちなみにこの街、リマト川沿いのワイン広場には、かつてゲーテ、モーツァルト、ヴィクトル・ユゴーが宿泊した由緒あるホテルがあった。今は普通の建物になっているが、その石畳を踏みながら歩くだけで、チューリッヒの奥行きが少し違って見えてくる。

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