「1、2、3…」
数を数えるだけのはずなのに、世界にはとんでもない数え方をしている人たちがいる。
大分県:12時まえ10分問題
まず日本から。
大分県では11時50分のことを「12時まえ10分」と言う。標準語なら「12時10分まえ」だ。
「まえ」の位置が違う。たったそれだけ。でも初めて聞くと脳がフリーズする。
イギリス:パン屋のダースは13個
1ダース=12個、のはずだ。ところが開拓イギリスには「ベーカーズダース(パン屋のダース)」という単位があり、これは13個を意味する。
13世紀、ヘンリー3世がパンの重さをごまかしたパン屋を厳しく罰する法律を作った。しかしパンは焼くたびに重さが変わる。
そこでパン屋が考えたのが「最初から1個多く入れておく」作戦。これが定着して、パン屋のダースは13個になった。
罰を恐れておまけをつけたら、おまけの方が単位になった。
フランス:80は「4×20」
フランス語で数を数えると、70を超えたあたりで突然算数が始まる。
70=「60+10」 80=「4×20」 99=「4×20+10+9」
フランス語で99と言うには、頭の中で計算が必要だ。これはケルト民族の20進法の名残と言われている。1000年以上前の数え方が現代語に居座っている。
バビロニア:60になったら1に戻る
いまから4000年以上前、古代バビロニア人は60進法を使っていた。10になったら繰り上がる現代と違い、60になったら繰り上がる。
しかも1と60は全く同じ文字で書かれた。文脈で判断するしかなかった。
でもこの60進法、実は今も生きている。1分は60秒、1時間は60分、角度の1度は60分——これは全部バビロニアの名残だ。
4000年前のおかしな数え方が、現代人の時計の中に住んでいる。
マヤ文明:20になったら繰り上がる
マヤ人は手足の指全部で数えた。合計20本。だから20進法だ。
数字は縦に並べる。上が大きい桁、下が小さい桁。点が1、横棒が5を表す。19は「横棒3本の上に点4個」だ。数字を書くのに絵を描く必要がある。
そしてこのマヤ文明、ゼロの概念を人類史上最初に発明した文明のひとつだ。手足の指で数えながら、ゼロを発明した。
天才なのかなんなのかわからない。
数え方ひとつに、その民族の歴史と意地が詰まっている。
なぜ人類はこんなにバラバラな方向に進化したのか。たぶん誰も気にしなかったからだ。

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