アリは怖いか?

道端でアリを踏んづけても、誰も気にしない。日本のアリは基本的に無害で、かまれても「あ、かまれた」で終わる。だが世界は違う。

オーストラリアのキバハリアリはギネス世界記録で最も危険なアリに認定されており、これまで複数の人を死に至らしめた実績がある。 巣に近づくと10メートル追いかけてくる。南米には「地獄のアリ」と呼ばれるサシハリアリがいる。刺されると火傷のような痛みが走り、水ぶくれやアレルギー症状を引き起こす。 そしてヒアリ。南米原産で世界の侵略的外来種ワースト100に入り、アナフィラキシーショックにより死亡することもある。2017年に神戸港で初めて発見されて以降、複数の都道府県で確認されている。 すでに日本に来ている。

では、シロアリはどうか。シロアリはアリではない。白いアリという名前がついているが、実はアリとは全く異なる生き物で、どちらかというとゴキブリの仲間だ。 人を刺すわけではないが、建物に棲みつき木材を食い荒らし、場合によってはコンクリートやプラスチックも被害を受けることがある。 家が静かに食われていく。

さて、アリを使った儀式の話をしよう。ブラジル・アマゾンの先住民、サテレ・マウェ族には「バレットアントグローブ」と呼ばれる成人の儀式がある。バレットアントは刺されると銃に撃たれたような凄まじい痛みが走ることからその名がついた毒アリで、成人を迎える男性はまず自ら森に入ってバレットアントを捕まえ、手製のグローブに縫い込む。そして自分で作った毒アリ入りの手袋に両手を突っ込み、10分間耐え続ける。 しかもこれで終わりではない。成人と認められるにはこの儀式を20回繰り返す必要がある。 

ある冒険家はこのアリに刺された体験について、「もし手近にマチェテ(斧)があれば、痛みから逃れようと腕を切り落としていただろう」と記録に残している。 

日本の成人式で暴れる人間がいる。そのエネルギーがあるなら、他人に迷惑をかけた上に後始末を大人に押しつけるような発散ではなく、黙ってバレットアントグローブをはめるくらいがちょうどいい。それくらいが、粋というものだ。

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tokaijiruのアバター tokaijiru 都会汁代表

都会汁。私は、どこにでもいて、どこにもいない。長い年月を経て、ようやく見えてきた世界の裏側と新しい日常。ここは、私が拾い集めた断片を静かに吐き出す場所。通りすがりのあなたに、何が伝わるかはわからない。

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