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ジャングリア復活のカギは忍者にあり!

2025年7月、沖縄北部のやんばるに巨大テーマパーク「ジャングリア」が開業した。60ヘクタールの広大な敷地に22のアトラクション。コンセプトは「Power Vacance!!」。亜熱帯の大自然の中で絶叫し、解放感に浸る—それがジャングリアだ。目玉は恐竜だ。脱走した恐竜からジャングルを逃げ惑う「ダイナソー サファリ」では、12人乗りの大型オフロード車で18頭の恐竜が潜むジャングルを進む。7階建てビル相当の全長約20メートルのブラキオサウルスにも遭遇する。迫力は本物だ。しかし問いたい。やんばるに、なぜ恐竜がいるのか。

ジャングルと恐竜の組み合わせに疑問を感じない人は、おそらくジュラシックパークを見すぎている。恐竜はそれとして面白い。しかしジャングリアのアトラクションをよく見ると、ジップライン、バギー、高所からの飛び降り、気球—これらはすべて「ジャングルで何かをする」という構造だ。衣装を変えれば何にでもなれる。そこに気づいた人間が、ジャングリアを救う。

忍者だ。日本忍者協議会が海外10カ国で実施した調査では、忍者の認知度は98.7%。そして忍者を知っている人の約50%が「忍者になりたい」と回答した。タイでは80.8%が忍者になりたいと答えている。サムライでも歌舞伎でも茶道でもない。外国人が最も「体験したい」日本文化が、忍者だ。クールジャパンの柱のひとつとして、忍者ツーリズムを促進する「NINJA NIPPON PROJECT」も動いている。

ジャングリアのアトラクションは、ほとんどがそのまま忍者に転用できる。ジップラインは「空中移動の術」だ。バギーコースは「山岳踏破の修行」になる。高所アトラクションは「崖越えの術」だ。気球は「遠見の術」でいい。やんばるの森は、忍者の修行場として世界観が完成している。そして決定的な一致がある。ジャングリアのアトラクションは「体を使って何かをする」ものばかりだ。忍者コスプレはそれとドンピシャで合う。着た瞬間から自分が忍者になり、一つひとつのアトラクションが「修行」に変わる。外国人観光客が最も求めているのは「見る体験」ではなく「なりきる体験」だ。忍者の衣装一枚で、ジャングリア全体が忍者道場になる。

ここでUSJに学べ。USJはもともと映画テーマパークだった。IPとは「Intellectual Property」、つまり映画・漫画・ゲームなどの知的財産のことだ。USJはマリオ、鬼滅の刃—映画とは無関係なIPを次々と投入し、「映画でなくてもいい」と気づいた瞬間から爆発的に成長した。そしてもうひとつ、見落とされがちな復活の要因がある。コスプレ参加型イベントだ。ハロウィンイベントでゾンビに仮装して参加する。観客が仮装してゾンビになり、パーク全体がひとつの舞台になる—「自分も世界観の一部になれる」という体験が口コミで広がり、リピーターを生んだ。観客ではなく、参加者になれること。これがUSJを変えた。テーマパークに必要なのは「世界観への没入」であって、「正確な設定」ではない。恐竜がやんばるにいない理由を誰も問わないように、忍者が沖縄にいても誰も問わない。

具体的なアイデアを出す。まず太秦映画村とのコラボだ。忍者の衣装と所作の本物を持っている。やんばるの森で手裏剣を投げ、吹き矢を放ち、崖を登る—映画村のノウハウをそのまま持ち込める。次に水蜘蛛アトラクションだ。忍者の「水蜘蛛の術」—水面を歩く。ドローン技術と浮力補助装置を組み合わせれば、池や海面をすべるように移動する体験が作れる。そしてNinja Turtles、すなわちティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズだ。忍者×亀×ジャングル—ジャングリアの「ジャングル」と「忍者」を繋ぐIPとして完璧すぎる一致ではないか。

パルクールの達人を忍者として雇う。森の中を縦横無尽に駆け回らせるだけでいい。木から木へ、岩から岩へ—それだけで外国人観光客のカメラが止まらなくなる。SNSに動画が上がる。「ジャングリアで本物の忍者を見た」と拡散される。広告費ゼロだ。パルクールの達人は世界中にいて、収入に困っている人も多い。給料が払えなくても、世界中から動画撮影に来る外国人観光客の前で技を披露できる舞台を提供できる—それで集まる人材は必ずいる。

そして雨の問題だ。ジャングリアは屋根のない屋外施設が多く、雨が弱点とされている。しかし忍者の発想で逆転できる。あちこちに忍者屋敷を建てる。雨宿りの場所が「からくり屋敷の修行部屋」になる。そして最高の一手がある—「雨の日はすいとんの術イベント発生!」だ。晴れた日には体験できない特別ミッションが雨の日に出現する。むしろ雨の日の方が希少体験になる。客が「雨でよかった」と言い始める日が来る。

食事問題も同時に解決する。忍者屋敷の中で「忍者飯」を売る。携帯食をモチーフにした保存弁当だ。山の中の修行場に高級レストランは要らない。握り飯と乾し肉と梅干し—それが忍者飯だ。屋根があり、飯が食え、雨の日限定イベントが発生する。弱点が三重に強みになる。弱点を強みに変える。それが本物の忍者の発想だ。

大した初期投資はいらない。衣装とスタッフと世界観の組み替えだ。恐竜はすでにいる。忍者を加えれば、やんばるの森はジュラシックパークにも伊賀の里にもなれる。外国人が求めているのは「本物の体験」ではなく「圧倒的な没入感」だ。忍者の恰好で恐竜から逃げたって、誰も文句は言わない。むしろその方が面白い。ジャングリア、忍者に舵を切れ。

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この記事を書いた人

tokaijiruのアバター tokaijiru 都会汁代表

都会汁。私は、どこにでもいて、どこにもいない。長い年月を経て、ようやく見えてきた世界の裏側と新しい日常。ここは、私が拾い集めた断片を静かに吐き出す場所。通りすがりのあなたに、何が伝わるかはわからない。

Tokaijiru.
I am everywhere, yet I am nowhere.After all these years, I have finally begun to see the hidden side of this world and the dawn of a new reality.This is a quiet space where I release the fragments I’ve gathered along the way.What these echoes mean to a passerby like you, I cannot say.

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